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【日本映画】東日本大震災の生々しい爪痕が残る風景と夏八木勲の演技が心に突き刺さる。「希望の国」(園子温監督)

Amazonプライムで見た「希望の国」(園子温監督)をご紹介します。

震災・原発事故で平凡な生活を奪われた家族

これからこの国は果たしてどうなってしまうのだろう…。
希望なんてあるのだろうか。

そんな2011年から2012年の時代のムードを強く感じた映画でした。

この映画の舞台は東日本大震災から数年後の日本の架空の街。
大震災に伴う原発事故がふたたび発生したことによって、
平凡で平和な日常生活を奪われた家族を描いています。

この映画で印象に残ったのは二つ。
東日本大震災の生々しい爪痕が残る風景。
夏八木勲の演技。

それに尽きると思います。

圧倒的な迫力を持つ風景

この映画の随所に登場する東日本大震災の生々しい爪痕が残る風景は、
どんなセットやCGよりも迫力があります。
ホンモノにしか出せない説得力。

よくぞこれらの場所で映画を撮影したと思います。
それだけでこの映画の存在価値は充分。

夏八木勲の演技。

そしてこの俳優さんの存在感。
ネタバレになるので具体的には書きませんが、
終盤のあるシーンの演技には目をみはりました。

物語としては結構粗いつくりで、整合性がないだろうとか、
そんな展開あるわけないだろうと違和感を感じる部分も随所にあります。

でも、あの大震災と原発事故から5年。
私を含む今では被災地と言われる場所以外の人たちは、
すっかり何ごともなかったように日常を送っています。
もしまた同じような災害が起こったら、
同じ過ちを繰り返してしまうと思いました。

<予告編>

<映画データ>
◎監督:園子温
◎出演:夏八木勲、大谷直子、村上淳、神楽坂恵
◎再生時間:2時間13分

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