【書評】これからのビジネスには想像力が不可欠。「買いたい!」のスイッチを押す方法 消費者の心と行動を読み解く(小阪 裕司著)

今回は「買いたい!」のスイッチを押す方法 消費者の心と行動を読み解く (角川oneテーマ21)をご紹介します。

モノが売れない時代--。
マスコミでは盛んにそう言われています。
しかし、そんな時代でも売上を伸ばしている店や会社は存在します。

この本では「人はなぜモノを買うのか」という観点から、
モノを売るためには、どんな能力が必要なのかを探っています。
いったい消費者の「買いたい!」スイッチを押すにはどうすればいいのでしょうか。

安さはモノを買うときの決め手とは限らない。

安くすればいいじゃないか!
すぐに考えつくのは価格を下げることです。
でも筆者は次のように指摘します。

安さだけが意思決定要素ではない。安さより重いおもりは存在する。たとえばそれは「このブランドが好き」「このお店が好き」という思いだ。

確かに、安いことはモノを買う場合の大きな要素の一つですが、
買う人にとって価格を上回る魅力があれば、高くても購入します。

値段はAという居酒屋の方が安いけど、
店長さんの感じがいいのでちょっと高いけどBという店に行く
なんていう経験、皆さんにもありませんか。
私は良くあります。

消費者はモノを買うのではなく「未来の私」を買う

では消費者は何を求めてモノを購入するのでしょう。
その目的は単に手にれること、すなわち所有することではありません。

今日の消費者はモノやサービスを買いたいのではなく、「未来の私」を買いたがっている。であるならば、われわれ作り手・売り手も、それに応えていかなければならない。消費者が漠然と求めている人生の充足感や肯定感、“ワクワク”を得られる瞬間を実現する道筋を示し、そこにモノやサービスを埋め込んで、リアリティを感じられるようにチューニングし、未来へのチケットを渡してあげる。このような行為こそ、現代における真の「売る」行為だと言えよう。

本書で例として挙げられているのは婚活に目覚めた男性の話。
筆者の知人の男性が、そろそろ結婚したいと言い出しました。
そこで筆者が衣装選びに誘ったところ、
それまで服装に無頓着で、安物しか買ったことがなかった彼が、
結構な値段のジャケットとパンツを購入したのです。
しかも喜んで。
彼が買ったのはモノとしての洋服ではなく、
その洋服を着て手に入れたお嫁さんがいる未来の自分だったんですね。

このように、モノ自体を売ろうとするのではなく、
そのモノがあることによって実現する未来の自分の姿を
想像させてあげるストーリーを打ち出すことが大切です。

大切なのは、直観回路と共感回路を磨くこと

では、具体的にどうすれば消費者の買いたいスイッチを押す力を
身につけることができるのでしょうか。

筆者は「直観回路」と「共感回路」を磨くことだと言っています。

まず「直観回路」とはありとあらゆる手筋の中から最善の一手を瞬時に見出す、
膨大な選択肢の中から一手を選び取る能力のこと。

これを磨くには「情報をインプットすること」と
「最善の一手をアウトプットすること」を繰り返すことが大切。
具体的には以下の3つの方法を挙げています。

1.過去の事例から学ぶこと。
2.自分でも自分のビジネス現場における実践を繰り返すこと。
3.社内外での交流や異業種の集まりなどで、各自の取り組みについて語り合い、学び合うこと。

要するにいっぱい勉強していっぱい経験を積めということですね。
当たり前過ぎると言えば当たり前すぎる主張です。

もう一つの「共感回路」とは文字通り人の思考に共感する能力。
「ああその気持ちわかる!」とか「あるある」というアレです。
この能力を磨くには、直接お客さんに会うことが一番手っ取り早いと筆者は指摘します。

共感回路を磨く最も有効かつシンプルな手立ては、直接お客さんに会うことである。(中略)あらゆる立場にいる人がお客さんに会う機会を持つことで、共感回路の修練になるのではないか。お客さんの立場に立ってものを考えることができ、次に何を売ってあげれば喜ぶかが読めるようになる。

こちらも当然と言えば当然の主張。
お客さんのことを思いやる気持、相手の立場や気持ちを想像する力。
そういったモノがビジネスにも大切になってくるんですね。
結論は至極当たり前のことですが、豊富な実例でわかりやすく読めました。

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