居酒屋・立食そば店・日本映画などをレビューしています。

【日本映画】2016年アマゾンのプライム・ビデオで見た映画まとめ

昨年の大晦日に何を書いていたのか調べてみたところ、こんな記事を書いていました。

ノツログ

2015年の一大ニュースと言えば、会員ならば無料で映画やテレビ番組を楽しめるAmazonのプライム・ビデオがスタートした…

ということで、今年Amazonのプライム・ビデオで見た映画でレビューを書いていないものをまとめました。

HK/変態仮面(2013年/福田雄一監督)

ドMの刑事とドSの女王様の間に生まれた、正義感の強い紅優高校拳法部員の色丞狂介。転校生の姫野愛子に恋をした狂介は、ある日銀行強盗の人質になった愛子を救うために変装して現場に潜入しようとするが、マスクと間違えて女性用パンティを被ってしまう。その瞬間、経験したことのないエクスタシーを感じた狂介の中で、眠っていた両親から引き継いだ血が目覚め、狂介は潜在能力が100%覚醒した”変態仮面”に変身して、超人的な力で悪を倒すー。

鈴木亮平はいいのだが、敵役のムロツヨシと安田顕がイマイチ。佐藤二朗並にもっとドギツク弾けて演じた方が良かった。HKの生みの親・ドSの女王様役の片瀬那奈は当たり役。

<映画データ>
監督:福田雄一
出演:鈴木亮平、清水富美加、ムロツヨシ、安田顕、佐藤二朗、池田成志、塚本高史、岡田義徳、大東駿介、片瀬那奈

もらとりあむタマ子(2013年/山下敦弘監督)

東京の大学を卒業したものの、甲府の実家に戻ってきて、無気力な日々を送るタマ子、23歳。現在、無職。家事を手伝うこともなく、就職活動をすることもなく、ただ食べて、寝て、マンガを読む生活を送っている。そんな矢先、父に再婚話が持ち上がり、彼女の心は激しく揺れる。モラトリアムな毎日を過ごすタマ子が、ゆっくりと新しい1歩を踏み出す四季の物語。

何の期待もせずに見始めたが妙に味がある作品。ショッキングな事件が起こるわけでもなく、劇的な恋愛ストーリーが展開されるわけでもない。東京の大学を出たものの就職せずに甲府の自宅に寄生する娘と妻に逃げられた父親の日常を淡々と描いているだけ。ダラーッとふてくされた表情でカレーをこねくり回しながら食べるタマ子役の前田敦子。演技というより素だろう。近所の写真館の中学生が妙な存在感を放っていて笑った。

<映画データ>
監督:山下敦弘
出演:前田敦子、康すおん、伊東清矢、鈴木慶一、中村久美、富田靖子

宇宙人東京に現わる(1956年/島耕二監督)

城北天文台の磯部助手は、或る夜雲の切れ間に不思議な形をした謎の発光体を発見。そして、世界各地でUFOが目撃され、ヒトデ型の宇宙人が東京を襲った! 恐怖におののく住民たち!パイラ人と名乗る宇宙人は、何の目的でやってきたのか? 折も折、死の惑星“R”が地球に接近。人類最大のピンチを救うカギは松田博士の発見した方程式にあったが・・・。

1950年代後半の大映映画。岡本太郎デザインの宇宙人が微妙。でも今ならゆるキャラとして通用しそう。冒頭に出てくる当時の酒場の風景がとてもいい。

<映画データ>
監督:島耕二
出演:川崎敬三、苅田とよみ、八木沢敏、山形勲

透明人間と蝿男(1957年/村山三男監督)

死の街と化した深夜の大東京に、不気味に羽ばたく蝿男!それに挑戦する透明人間!捜査網を尻目に出没する善玉悪玉の怪奇空想映画。

こちらも1950年代後半の大映映画。そもそもなぜ蠅男が飛べるのかが不明など、突っ込みどころ満載なところが逆に面白い。

<映画データ>
監督:村山三男
出演:北原義郎、叶順子、品川隆ニ、毛利郁子

虹男(1949年/牛原虚彦監督)

奇怪な色彩の奔流と共に出現し、呪われた一家・魔耶家の人々に断末魔の絶叫を呼ぶ虹男の恐怖! 魔耶家の人々は、虹の研究をする物理学者の当主、黒猫を我が子のように可愛がるその妻、奇妙な色彩の絵を描く画家の息子など、どこかに暗い影を背負っている。彼らはひとりずつ、「虹だ! 虹男だ」と恐怖の絶叫を残して殺されていく。虹男とはいったい何者なのか?

こちらも大映のSF怪奇映画。こちらは1949年の作品だがほんの少しだけカラー映像が入る。日本初の総天然色映画「カルメン故郷に帰る」が1951年だから、その2年前に作られたもの。

<映画データ>
監督:牛原虚彦
出演:小林桂樹、暁テル子、若杉須美子、見明凡太朗

ヌイグルマーZ(2014年/井口昇監督)

ある時、故郷の惑星を追われた謎の綿状生命体が地球へと飛来。綿状生命体の最強戦士ドゥーマアはピンクのテディベア“ブースケ”に宿り、持ち主の少女・鮎川響子と巡り会い、彼女を守ると決意する。ある日、そんな響子の前にロリータファッションに身を包んだ叔母の夢子が現われる。

武田梨奈のアクションが予想以上でキレッキレ。変身後のヌイグルマーを、中川翔子ではなく武田梨奈にやらせたのは大正解だった。映画のスピード感がグンと増した。

<映画データ>
監督:井口昇
出演:中川翔子、武田梨奈、市道真央、猫ひろし

北陸代理戦争(1977年/深作欣二監督)

凍らんうちに始末してやる!北陸気質まるだしの狼たちは、日本海の荒れ狂う厳寒の冬に似て獰猛かつ陰湿だった!生きるためにはなりふり構わず手段を選ばぬ凄惨で残虐なヤクザ抗争を主演・松方弘樹、監督・深作欣二のコンビで描いた異色のバイオレンス・ドキュメント。大組織の力も通用しない北の国で、消されぬため、生きるためにとったゲリラの野獣戦略とは!?

映画の奈落 完結編 北陸代理戦争事件」という本を読む前に見ておこうと思って見た映画。ギラギラした松方弘樹と高橋洋子の存在感が際立っていた。成田三樹夫もいい。

<映画データ>
監督:深作欣二
出演:松方弘樹、野川由美子、高橋洋子、地井武男、小林稔侍、矢吹二朗、織本順吉、成田三樹夫

ノツログ

1977年4月13日の午後1時過ぎ。福井県・三国町の喫茶店「ハワイ」で、この地で勢力を振るっていた川内組組長・川内弘が4…

たみおのしあわせ(2008年/岩松了監督)

たみおと一緒に考えよう。「しあわせって、なに?」神埼民男は、とある町で父・伸男と2人暮らし。女性とのつきあいが苦手な民男が、伸男の上司の紹介で見合いをすることに・・・。相手は、容姿端麗で聡明な瞳。そんな彼女からプロポーズの言葉を先に切り出される。民男は一瞬たじろぐも、縁談がまとまった喜びを伸男に報告する。優柔不断で何事も成り行きまかせな民男と、ちょっとワケありの風情が漂う瞳。ふたりは着々とウェディングへと向かい、ついに結婚式の当日に・・・。

オダギリジョー、原田芳雄、大竹しのぶ、小林薫など豪華役者陣。ストーリーもいい感じで進んでいったのに、なんともスッキリしない結末で何だか肩すかしを食った気分。携帯電話を手放せないヘンなおじさん役で忌野清志郎が出ていた。

<映画データ>
監督:岩松了
出演:オダギリジョー、原田芳雄、麻生久美子、大竹しのぶ、小林薫

きいろいゾウ(2013年/廣木隆一監督)

夫婦から始まる、恋愛。出会ってすぐに結婚をしたツマとムコ。お互いの”秘密”を知らないまま、ふたりは一緒に暮らし始めた―。愛する痛みを知る、すべての人へおくる感動のラブストーリー!

西加奈子原作の小説を映画化したもの。独特の世界観で好き嫌いが分かれそうな映画だが、宮崎あおいの振り切った演技に好感を覚え、私は結構このファンタジックな世界に入り込めた。途中出てきた元憂歌団のヒデカッちゃんの歌う「グッド・ナイト・ベイビー」が心に染みて涙腺が崩壊するレベル。あの歌声はもはや世界遺産級。

<映画データ>
監督:廣木隆一
出演:宮崎あおい、向井理、濱田龍臣、浅見姫香、本田望結、緒川たまき

黒い家(1999年/森田芳光監督)

「この人間には心がない」 現代人の心の闇をえぐり出す 傑作リアル・サイコ・サスペンス!この恐怖体験、最期まで耐えられるか!? 若槻は保険の営業のため訪れた菰田重徳の家で子供が首を吊った状態で死亡しているのを発見してしまう。事件の疑いが濃厚な事案であったことに加え、菰田家には以前にも自傷とも疑われる不可解な保険金請求があったことから、若槻の会社では保険金の支払いを保留していたが重徳は執拗に支払いを求める。疑念を抱いた若槻は…

1999年公開の森田芳光監督によるサイコサスペンス。終盤のスプラッタシーンが結構エグくて思わず目を背ける。アマゾンのレビューでは評価が割れているが、これは優れた原作の映画化作品にありがちのこと。私は原作を読んでないが、原作に想い入れが深ければ深いほど、映画のアラが目に付くんだよな、きっと。

<映画データ>
監督:森田芳光
出演:内野聖陽、大竹しのぶ、西村雅彦、田中美里、石橋蓮司、町田康、小林薫

赤線地帯(1956年/溝口健二監督)

子持ち、亭主持ち、パンパン上り、又金に馮かれた女等々、七彩のネオンの街に生きる女たちの宿命と哀歓を描く香り高き芸術巨編

たぶん昔一度見たはずだが、あまりよく覚えていない。見始めていきなり黛敏郎による前衛的過ぎる音楽の毒気に当てられる。売春防止法制定直前の赤線にある風俗店を舞台とした物語。若尾文子や木暮実千代も出ていたが、京マチ子がマリリン・モンローを意識した役作りでひときわ目立っていた。印象に残ったのが風俗店の店主(進藤英太郎)が女たちに言った言葉。「本当にお前達のことを心配しているのは俺たち業者なんだ。こうやって店を作って商売させてるからお前達食うに困らない。一家心中だってせずに済むんだ。俺たちはね、政治の行き届かないところを補っているんだ。国家に変わって社会事業やってんだ」。“社会事業”と言わせるのが振るっている。

<映画データ>
監督:溝口健二
出演:若尾文子、三益愛子、町田博子、京マチ子、木暮実千代、川上康子、進藤英太郎、沢村貞子

ビリギャル(2015年/土井裕泰監督)

さやかは高校2年生。中学入学以来、全く勉強をしなかったので、ついに成績は学年ビリ。いくらなんでもこのままではマズイと思ったのか、そんな女の子が学習塾にやってきた。でもその姿は金髪、ヘソだし、超ミニスカのギャルメイク。対応した塾講師の坪田もびっくりの彼女の知識は小4レベル。聖徳太子を「セイトクタコ」と読み、東西南北も分からない。それでも夢は大きく第1志望はチョー難関の慶應大学!(←ゼッタイ無理!)「さやかが慶應なんてチョーウケる~!」。こうしてノリで二人三脚の受験勉強がはじまった!

勉強ができない子供を見捨てるのではなく、可能性を信じる先生と、猛勉強でその想いに応えようとする生徒。努力は必ず報われるという、絵に描いたようなハッピーエンド。まあ、そんな映画も必要か。ただこの映画では大学合格がゴールだが、人生ではスタート地点。

<映画データ>
監督:土井裕泰
出演:有村架純、伊藤淳史、野村周平、あがた森魚、安田顕、吉田羊、田中哲司、松井愛莉

ララピポ(2009年/宮野雅之監督)

この世界には2種類の人間しかいない。一生地べたに這いつくばって生きる人間と、そこから抜け出して高く高く上り詰める人間。底辺とも思われた人間たちの6つの人生が交錯したとき、奇跡が生まれる“サバイバル”ムービー!

なんかピンとこないが最後まで見てしまう。奥田英朗の原作が手元にあったので2年ぶりぐらいに読んでみると、微妙なキャラ変はあるもののストーリーは結構原作に忠実。だが原作にはない「この世界には2種類の人間しかいない。一生地べたに這いつくばって生きる人間と、そこから抜け出して高く高く上り詰める人間」など、やけに説明的なナレーションがうざったい。冒頭に登場する変なマペットも不要。この映画を見たのが11月25日。この後すぐ、主演の成宮寛貴があんなことになるなんて!そういう意味ではなんか自分的にはタイムリーだった。

<映画データ>
監督:宮野雅之
出演:成宮寛貴、中村ゆり、皆川猿時、村上知子、濱田マリ

こうして紹介してみると本当に何の脈絡もなく見てますね。当分は「シン・ゴジラ」も「君の名は」も見る気がない私が今年見た日本映画の中で最高だったのはこちら。

ノツログ

今回は「ディストラクション・ベイビーズ」(真利子哲也監督)をご紹介します。 久々にガツン!と来る映画を見ました。 10代…

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