【日本映画】「二重生活」(岸善幸監督)門脇麦の演技が光る一本。

先日、Amazonプライムで映画「二重生活」を見ました。いつも通り何の予備知識もないまま見ましたが、門脇麦という女優さんの演技が印象に残った一本でした。

テーマは「哲学的尾行」

この作品は小池真理子原作の小説を映画化したもの。主人公は大学院に通う女子大生(門脇麦)。穏やかで優しい恋人(菅田将暉)と同棲中で、彼との関係も良好です。ある日卒論の相談に行った彼女は、教授(リリー・フランキー)から「哲学的尾行」の実践を提案されます。これは一人の対象を追いかけ、生活・行動を記録し、そこから人間の存在を考察してみるという行為。最初は戸惑うものの、たまたま書店で見かけた近所に住む男性(長谷川博己)を尾行することに。慣れない尾行の末、彼女が目撃したのは妻子と幸せな生活を送っているように見えていた男の不倫シーン。異常な胸の高鳴りを感じた彼女は、尾行にはまっていくというストーリーです。

尾行にのめり込む。

見所は、ごく平凡な女子大生が“尾行”という非日常の行為にのめり込んでいくところ。卒論のための哲学的尾行だったはずが、ドロドロとした男女の関係を目の当たりにして自制心が利かなくなり、彼女は同棲相手に嘘をついてまで尾行に出かけるようになっていきます。いつしか男性に惹かれる気持まで芽生え、彼女の平和だった生活が少しずつ狂っていく様子がドキュメンタリータッチで描かれていきます。そしてクライマックスは尾行がばれた後のシーン。喫茶店で謝罪した流れで男と居酒屋に行った彼女は、焼酎のロックをガンガン飲んでベロベロに。その後の狂気さえ感じさせる彼女の表情には思わず目をひきつけられました。実はこの映画では上に紹介した尾行の話と同時に、教授を主役としたもう一つのストーリーが進行しています。そしてその二つのストーリーが絡み合うのですが、私はこの教授がとった行動が最後まで理解できませんでした。

際立つ門脇麦の演技。

しかし門脇麦という女優さんはうまいですね。恥ずかしながらNHKの朝ドラ「まれ」で主人公の友人役をやっていた女優さんぐらいの認識しかなかったのですが、この映画のように、地味でややこじらせ系の女性を演じたら今一番かも。思わずこの後彼女が出ている「愛の渦」も見てしまいました。

今や誰もが他人の生活をのぞき見できる時代!?

もう一つこの映画を見て考えたことがあります。冒頭に書いたようにこの映画は「尾行」をテーマとしており、主人公はそれによって赤の他人の生活に巻き込まれて自分の生活まで変わってしまいます。「尾行」なんて言うと一般の人には無縁のフィクションだと考えられがちですが、これを「フォロー」と言い換えたらどうでしょう。ツイッターやインスタグラムで赤の他人をフォローする。そうすると、毎日毎日その人の言動を見たり、聞いたりして、気がつくと常にその人のことが気になっている…なんてこと、よくありませんか。「尾行」などしなくても今や誰でも他人の生活をのぞき見できる時代。そしてこの映画みたいに、ネットでのフォローが人生を狂わせることもあるのではないかと。

<私の評価(5段階)>
★★★☆☆ 3.6(まあまあ気に入った)

<予告編>

<映画データ>
◎監督:岸善幸
◎出演:門脇麦、長谷川博己、菅田将暉、リリー・フランキー、西田尚美
◎上映時間:2時間6分

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