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【日本映画】逃げ続ける人生もアリじゃないかと…。「百万円と苦虫女」(タナダ ユキ監督)

Amazonのプライム・ビデオいいですね。すっかりはまって映画見まくってます。
ということで本日は「百万円と苦虫女」。蒼井 優主演です。

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どんな映画?

調べると公開は2008年7月19日。そのおおよそ2ヶ月後の9月15日にリーマン・ブラザーズが連邦破産法第11条の適用を申請し、あのリーマンショックにつながるわけです。もうあれから7年も経ったんですね。ということでAmazonに掲載されている映画の説明はこちら。

鈴子は短大を卒業して就職もできずに、しかたなくアルバイト生活を送っているどこにでもいる女の子。どうにかしてこの生活を変えようと考えている中、ひょんな事件に巻き込まれてしまう。
「百万円貯まったら、この家を出て行きます!」
と家族に宣言し、百万円を貯めるたびに次から次へと引越しをして、1人で生きて行く決心をする。
行く先々の街で様々な人たちと出会い、笑ったり、怒ったり、素敵な恋をしながら、自分だけの生き方を見つけてゆく女の子の旅物語。

この説明文、なんか陳腐ですね。ダメダメのサエナイ女の子が自分探しの旅に出かけ、そこでいろんな人に出会いながら本当の自分を見つけていく…っていうような。でも、この映画、そんなありがちのクソストーリーではありませんよ。

いやなことあれば逃げ続ければいいんです。

私は普段から思っているんですが、つらいことや大変なことがあっても「頑張って我慢して続ければ、いつかは必ず道は開ける」という考え方っておかしいと思うんです。ダメだったら我慢なんかせずに逃げりゃいいんです。たとえばイヤな会社だったら、さっさと辞めちゃえばいい。自分に向いてない仕事だなと思ったら、違う仕事を探せばいい。我慢強いことは美徳でもなんでもありませんよ。そういう意味で、イヤなことやトラブルがあると次の場所へと逃げていく、この鈴子みたいな生き方っていうのも全然アリだと思うんです。

でも、それをなかなか世間は許してくれない。「そんなことじゃ世の中通用しない」とか「あなたのためだから」なんていうことを言いながら、自分の勝手な思い込みを押しつけてくる。かといってその人たちが何か責任を取ってくれるかというと全然そんなことはありませんから。それから、人間っていくら心の中で思っていても、それを相手に言わないと伝わらない。恋人、夫婦、親子など、いくら近しい間柄でも、100%気持を察するなんてことは土台無理なことなのだなと。この映画を見て、そんなことを考えました。

そして蒼井 優ってやっぱスゴいわ。これ彼女がいなかったら成立しない映画ですね。相手から理不尽なこと、見当違いなことを言われたときに見せる「苦虫顔」が最高にいいです。細いんだけど妙に色っぽくて、なんか岡崎京子のマンガに出てくる女の子みたいだなと思いました。

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<予告編>

<映画データ>
監督・脚本:タナダ ユキ
出演:蒼井 優、森山 未來、ピエール瀧、笹野高史、佐々木すみ江、
堀部圭亮、平岩紙、江口のりこ

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