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【日本映画】派手な展開はなし。でも見終わってほっこりする作品。「キツツキと雨」(沖田修一監督)

今回はAmazonプライムで見た「キツツキと雨」をご紹介します。

きっかけはあのエイプリルフールネタ。

「あまちゃん」の能年玲奈がエイプリルフールネタとして
自身のブログに投稿した「おそ松さん」のコスプレ写真が話題!

そんなニュースを見てブログを読んでみたところ、
その数日前の日記にこの映画を見たとの記述を発見。
どんな映画なんだろうと興味を持ち、
Amazonプライムにあったので見てみました。

無骨な中年男と気弱な若手監督のストーリー

舞台は岐阜の山村。
ゾンビ映画の撮影隊がやってきたところからスタートします。

役所広司演じる林業に従事する男は、
ひょんなことから撮影に関わることになります。
そこで出会ったのがどこか自信なさげな小栗旬演じる若き監督。

この二人を軸にストーリーは進んでいきます。

決して派手な事件があるわけではありません。
林業一筋に生きてきた無骨な60男と25歳の若手監督という、
全く接点のなさそうな二人が心を通わせ、
映画づくりを通して若者が成長していく姿が描かれます。

存在感があった嶋田久作

映画を見ていていつも感じるのは、
1本を完成させるために、数多くの人達が関わっていること。
最後のクレジットにおびただしい数のスタッフを見て、
よくこんなに多くの人達をまとめることができるなと。

そんな重責を担う監督のプレッシャーは生半可じゃないでしょう。
ましてやポッと出の若手監督など、
自信がないそぶりをちょっとでも見せようものなら、
俳優やスタッフ達は、たちまち言うことをきかなくなります。

そんな一癖も二癖もある俳優やスタッフを平田満、古舘寛治など
ベテランがいい感じに演じていました。

中でも良かったのは撮影カメラマン役の嶋田久作。
映画中では説明されていませんがたぶんこんな人物だと想像します。
数々の映画にカメラマンとして参加し、その腕は業界でも認められている。
そしてどんな作品であれ、いい映像を撮ろうという意識は強い。
だから現場では、監督以上にスタッフに信頼されていて影響力を持っている…。
決して目立ちませんが存在感抜群でした。

そしてもう一つ、存在感を見せていたのが「味付けのり」。
夜更けに突然訪ねてきた若手監督に中年男が
「こんなものしかないけど」と出す味付けのり。
ラスト近くの朝食シーンで登場する味付けのり。
妻に2年前に先立たれた中年男の生活を象徴するものとして、
実にいい味を出しています。

地味ですが、見終わってほっこりする。
そんな後味がいい映画でした。
しかし何で能年ちゃんはこんなシブい映画を選んだのだろう?

<予告編>

<映画データ>
監督:沖田修一
出演:役所広司、小栗旬、高良健吾、臼田あさ美、山崎努、古舘寛治

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