今回紹介するのは「仕事の問題解決力が劇的に上がるコンサルタントの「聞く技術」」です。
筆者は人材コンサルタントとして27年のキャリアを持つ人物。
多くのビジネスパーソンに関わってきた経験から次のように主張します。
仕事ができる人は、皆「聞き方」がうまい。もちろん「口下手な人」も中にはいますが、「聞き方が下手」な人はいませんでした。
ということで、役に立って有効な「聞き方」のノウハウをまとめたのが本書。
そんな本書から私が参考になった三つをご紹介します。
1.具体的な話が聞きたいなら「たとえば?」「具体的には?」を使う
まず筆者は、具体的な話を聞き出すことが重要だと言っています。
これは私も日頃から感じていること。
私は年間200人以上にインタビューします。
困るのは具体的な事例を聞きたいのですが、抽象的なことばかり話す人が多いこと。
例えば仕事をしていて嬉しいのは…と聞くと、
「システムを完成させてクライアントからありがとうと言われることです。」
というのがよくある答。
これだけじゃ何がどう嬉しいのかさっぱりわかりません。
で、「たとえば?」と聞くわけです。
この場合だとまず
「たとえば去年1年間で一番印象的だったシステム開発は?」
という質問がいいですね。
すると、
「企業の生産管理システムの開発プロジェクトです。」
という答えが返ってきます。それを受けて、
「そのプロジェクトではいつ頃からいつ頃までだったんですか」
という質問をする。
こういう感じで一つひとつ具体的なことを聞き出していくということです。
2.色、香り、音を聞く
では「たとえば?」とか「具体的には?」と聞いても
思ったような答えが返ってこない場合は
どうすればいいのでしょうか。
その一つの方法として、
筆者は相手の五感に訴える質問をするといいます。
一番簡単な方法が、会話の中に色を盛り込むことです。会話の中に「色」が入るだけで、話がグッと千名になります。方法は簡単です。相手に「それはどんな色だったのですか?」とストレートに尋ねてみるのです。
同様に「どんな香りでしたか」「どんな音でしたか」という質問も有効とのこと。
これは高等テクニックですね。
色、香り、音について聞いて答えてもらえることはあるのかなと。
今度試してみたいですけど、できるかな。
3.「沈黙」を恐れるな
質問したのに答えにつまって訪れる沈黙。
これって、聞く側にとって一番イヤなことですね。
でも筆者は沈黙を恐れず、
逆に利用する方法として次の二つを紹介しています。
1.相手を無言でじっと見つめる
相手の話を聞きながらゆっくりと先を促すようにうなずきつつ、話し手の目をじっと見つめる。これも「相手に話をさせる手段」です。
2.相手が言ったことをそのままオウム返しにして返す
「へえ、参加者がいきなり200人以上に!…」
「えっ、新人と思ったら、40歳以上ばかり!…」
オウム返しにしたあとに「感情の言葉」を入れ、語尾には「…」と余韻を残すこと。するとどうしてもこちらが話をせざるを得ない流れになるのです。
この1の実践は難しいですね。
でも2はすぐにでも使えそうです。
コミュニケーション能力にイマイチ自信がない…
もっと人からうまく話を聞き出せるようになりたい…
そんな方にはオススメです。