株式会社越後屋重兵衛から発売されている「燕三条背脂らーめん」は、新潟の燕三条で昔から食べられてきた背脂タップリの醤油ラーメンを商品化したもの。太目の麺が特徴です。
新潟5大ラーメンの一つ「燕三条の背脂ラーメン」
まず燕三条の背脂ラーメンとはどんなラーメンなんでしょう。この商品のパッケージに書いてある紹介コピーによると…
全国有数の工業地域、燕三条。そこで働く職人たちの要望から生まれたラーメンです。背脂たっぷりなのでスープが冷めにくく、うどんのような太麺が特徴です。
そしてこの「燕三条背脂ラーメン」は新潟五大ラーメンの一つとのこと。新潟県公式観光情報サイト「にいがた観光ナビ」によると新潟五大ラーメンとは以下の5つ。
1.新潟市で多く見られる細麺のあっさり醤油味ラーメン
2.燕三条の背脂チャッチャの極太ラーメン
3.長岡など寒い地域のホットなショウガ醤油ラーメン
4.熟成させたみそダレと炒めた野菜の香ばしさがマッチする濃厚味噌ラーメン
5.三条市でよく見られるカレーラーメン
個人的に興味があるのは「長岡ショウガじょうゆラーメン」です。というわけで「燕三条背脂ラーメン」の定義や位置づけはほぼ理解できましたが、よくわからないのがこの商品の販売元。パッケージには「株式会社越後屋重兵衛」と書いてありますが、検索しても楽天やアマゾンで商品がいくつか出てくるものの、会社の公式サイトはない模様。
そこで上のパッケージ裏に書いてある住所をググってストリートビューで見てみたんですが、あったのは食品メーカーというよりは個人商店という趣の「重兵衛」という年季の入った看板を掲げたお店でした。これはぜひ写真でご紹介しようと思ったのですが、著作権的にどうなんだろうという疑問が頭をよぎったのでやめておきます。
さらに調べていくうちにこの商品の製造元は、新潟県十日町市でそばをはじめとする麺類の製造・販売を手がける「株式会社松代そば善屋」という会社だということがわかりました。おっ!通販ページにはこの商品が掲載されているじゃないですか。そばだけじゃなくて、ラーメンやパスタも製造しているんですね。関係ないけどこの「そばの美味しい茹で方」という記事は参考になるなぁ。
そしてこの商品の監修は「らーめん処 潤」と書いてあるのを発見。そのお店のサイトの「店主が語る成功と挫折」というページを見たところ、燕市でこのタイプのラーメンが生まれたのは以下のような背景があったことが判明しました。
燕市は、全国的に知られた洋食器や金属加工の産地。今では中国で生産する会社も増えたけれど、当時は工場もフル稼働でしたからね。燕市内のラーメン屋も出前がすごかったんですよ。工場にラーメン50杯出前なんて普通でしたから。燕市のラーメンは出前の歴史。背脂はスープが冷めにくくするための工夫、麺が極太なのも、届くまでにのびて不味くならないために普通とは違う麺をこしらえてある。みんな、先人の知恵、お客様に少しでもうまいものを、と切磋琢磨した結晶なんだと思いますね。
なるほど、背脂・太麺のこのラーメンはその土地の必然性があって生まれたのか。こういう話いいですね。
早速つくってみる。
ということで、ようやくスッキリしたところで作ってみましょう。まずパッケージをあけると麺と背脂スープ、そして香味油がそれぞれ二つずつ入っています。日頃大きなメーカーの袋麺やカップ麺の青や赤の派手な小袋を見慣れているせいか、素朴でシンプルな外見ですね。まずは熱湯で麺を茹でるのですが、太麺だけあって茹で時間は6分と長目。そして器に背脂スープと香味油を入れてお湯で割り、最後に茹でた麺を入れ、別途用意した具を加えるというのが大雑把な調理手順です。
そして出来上がりはこちら。刻みタマネギとネギ、茹でたアスパラ、ウィンナー、のりをトッピングしました。
麺はこのぐらいの太さ。輝いていますね。
予想していたよりも背脂は目立たずギトギトしていません。トッピングとして入れたタマネギのおかげもあってしつこくなく、サッパリした感じさえする醤油味です。麺は思っていたよりは太くはありませんでしたが、ツルツルとしていて食感良し。麺の量もそれほど多くないのであっという間に完食です。食べ終わってから思ったのですが、途中ですりおろしニンニクを加えたら味が変化してもっとおいしくいただけたかも。ごちそうさまでした。
<私の評価(5段階)>
★★★☆☆ 3(普通においしかった)
<商品データ>
◎価格:300円(税別)
◎内容量:208g(麺73g×2束)
◎カロリー:336.9kcal