2019年12月の1ヶ月間に アマゾンプライムで見た映画をまとめておきます。
- 1 エンドロール~伝説の父~(2012年/石井裕也監督)
- 2 妻よ薔薇のように 家族はつらいよⅢ(2018年/山田洋次監督)
- 3 ポプラの秋(2015年/大森研一監督)
- 4 あん(2015年/河瀨直美監督)
- 5 かぞくのくに(2012年/ヤン・ヨンヒ監督)
- 6 しゃぼん玉(2017年/東伸児監督)
- 7 遠い日のゆくえ(2011年/朝原雄三監督)
- 8 あいあい傘(2018年/宅間孝之監督)
- 9 トワイライト ささらさや(2014年/深川栄洋監督)
- 10 PARKS パークス(2017年/瀬田なつき監督)
- 11 ジヌよさらば ~かむろば村へ~(2015年/松尾スズキ監督)
- 12 やっさだるマン(2018年/大森研一監督)
- 13 陽だまりの彼女(2013年/三木孝浩監督)
- 14 世界は今日から君のもの(2017年/尾崎将也監督)
エンドロール~伝説の父~(2012年/石井裕也監督)
舞台は街の全員が知り合いみたいな海辺の地方都市。余命宣告された男性が子供に自分の姿を残しておきたいと、映画の脚本を中村獅童演じる幼なじみの友人に託す。そして映画撮影がスタートするという流れ。お涙ちょうだい的なテーマだが、ウルッと来るヤツではなく、どちらかというと笑える映画。中村獅童が両親に宇宙人役をやって欲しいと頼む時のやり取りが面白い。
<映画データ>
監督:石井裕也
出演:中村獅童、萩原聖人、板谷由夏
<好み度>
★★★
妻よ薔薇のように 家族はつらいよⅢ(2018年/山田洋次監督)
家族はつらいよ第三弾。セリフが古くさい。特に蒼井優のしゃべり方は、小津映画のヒロインのしゃべり方に寄せていて気持ち悪い。中途半端に東京物語風を入れたり、寅さん風を入れたりしていてテイストが中途半端。人物描写もブレすぎ。西村、橋爪がいい人になったり、悪い人になったりとコロコロ変わる。根はいい人ということなんだろうが、なんか前半と終盤・ラストじゃ別人のようで、ここまで落差があるのは不自然。 寅さん並の突出したキャラがいるわけでもないし、こんな感じで4作も5作もと続けられたらたまらない。
<映画データ>
監督:山田洋次
出演:橋爪功、吉行和子、西村まさ彦
<好み度>
★
ポプラの秋(2015年/大森研一監督)
主演の本田望結は子役にありがちなオーバーな演技が少しあったものの、まずまず自然な演技。母と娘が電車に乗って、適当な駅に降りようとするのだが、ためらって、また乗って、また降りようとするがためらって、ようやくある駅に降りるという冒頭のシーンが印象的。何かあって心が揺れていることをよく現していた。中村玉緒のおばあさん役はなかなか。最初は恐く、徐々に優しくなって来て、それに本田が心を開いていく様子の描写がいい。大感動というわけではないけれど、ホッコリする映画。
<映画データ>
監督:大森研一
出演:本田望結、中村玉緒、大塚寧々、村川絵梨
<好み度>
★★★★
あん(2015年/河瀨直美監督)
樹木希林なしでは成立しえない作品。長瀨正敏演じる主人公が店長を務めるどら焼き屋の常連の女子中学生を演じるのが樹木希林の実の孫の内田伽羅。 顔つきは父親似で、血筋のせいか大物感が漂っている。樹木希林が内田伽羅を見つめる目が優しく、それは祖母が孫を見つめるまなざしだった。
監督:河瀨直美
出演:樹木希林、永瀬正敏、内田伽羅
<好み度>
★★★
かぞくのくに(2012年/ヤン・ヨンヒ監督)
主人公は帰国事業により北朝鮮へ渡り、25年ぶりに病気治療のために日本に一時帰国した井浦新演じる男性。その妹が安藤サクラ。国民の自由が奪われ、言いたいことを言うことも許されず、兄が妹に思考停止は楽だと自嘲気味に語ったシーンが印象的。監督のヤン・ヨンヒさんのインタビュー記事を見ると、このストーリーはほぼ実話らしい。自分で考えることができる喜び、幸せを感じろと言うことか。
<映画データ>
監督:ヤン・ヨンヒ
出演:安藤サクラ、井浦新、ヤン・イクチュン
<好み度>
★★★
しゃぼん玉(2017年/東伸児監督)
林遣都が凶暴でむなしさを抱えた青年を好演。青年が自分のやってきたことを老婆に告白するシーンは特に良かった。市原悦子は唯一無二の存在感。 舞台は宮崎県の椎葉村。エンドロールを見ると村を挙げてというか、宮崎県を挙げて作っている映画。田舎暮らしに憧れはないが、土地に根を張って生きる生き方も素晴らしいな。
<映画データ>
監督:東伸児
出演:林遣都、市原悦子、藤井美菜
<好み度>
★★★★
遠い日のゆくえ(2011年/朝原雄三監督)
何気にいい話みたいな感じで終わったが、それは結果オーライで、実は「これやっちゃいかんだろう」というエピソードの連続。 永山絢斗演じる主人公は特殊清掃員。遺品として預かった自殺した女性の日記を読むのがまずアウト。そして、女性の関係者に死を知らせに行くのも越権行為。変に正義感が強く、高校の時に付き合っていた彼女を妊娠させてしまった男に詰め寄ったり、ダンカン扮する男が父親の遺品を受け取らず、全部捨てておいてくれという言葉に切れて激高したり。日記の主の実の娘の家や職場をしつこく訪ねて日記を読むよう強要するなど、とんでもない行為の連続。登場人物で注目したのは主人公の妹役で出ている剛力彩芽。若い。
<映画データ>
監督:朝原雄三
出演:永山絢斗、富田靖子、寺脇康文
<好み度>
★★
あいあい傘(2018年/宅間孝之監督)
見終わってホッコリする映画。音声なしの無言映像からスタート。よくわからないまま5分ぐらい続いてようやくストーリーが始まる。スタートしたと同時に、強烈なキャラクターが次々に登場。中でもダントツの存在感をみせているのが、強烈な関西弁でまくしたてる高橋メアリージュン。市原隼人は男はつらいよの寅さんを思わせる三枚目を好演。途中から倉科カナが断然良くなる。特に居酒屋で不満をぶちまけてくだを巻くシーンはいい。そして実の父親とのシーンはグッとくる。原田知世もいい。この後、倉科カナと市原はどうなるんだろうな、と想像する楽しさもある。
<映画データ>
監督:宅間孝之
出演:倉科カナ、市原隼人、立川談春
<好み度>
★★★★
トワイライト ささらさや(2014年/深川栄洋監督)
幽霊モノコメディ。主人公はガッキー演じる落語家の妻。子供が産まれたばかりなのに交通事故で大泉洋演じる夫が他界。葬式に夫から「死んだ」と聞かされていた父親が訪ねて来て、子供を奪おうとしたことから、ガッキーは子供を連れて田舎町に移り住む。大泉洋の父親がガッキーの子供を連れ去ろうとするのだが、その動機が曖昧。だから、イマイチ緊迫感がない。一番の見所は寺田心くんが長台詞を難なくこなすところ。ハートウォーミングな作品なのだが、すぐ前に見た「あいあい傘」が良かったので、それに比べるとイマイチ感は否めない。
<映画データ>
監督:深川栄洋
出演:新垣結衣、大泉洋、中村蒼
<好み度>
★★
PARKS パークス(2017年/瀬田なつき監督)
思いのほか良かった。井の頭公園を舞台とした、あるラブソングをめぐるストーリー。高校生役の永野芽郁が輝いていて、染谷将太もいい。前半~中盤はテンポが良くて、ポンポンとストーリーが進展していく。その後、転調。それから先がなんか観念的になって失速。この部分は意味がよく理解できないので、もう一度見たいかも。劇中に出てくる「パークス」という曲が良く、それがこの作品に好感が持てた一番のポイント。
<映画データ>
監督:瀬田なつき
出演:橋本愛、永野芽郁、染谷将太
<好み度>
★★★★
ジヌよさらば ~かむろば村へ~(2015年/松尾スズキ監督)
阿部サダヲ、片桐はいり、荒川良々などキャラが濃くてパンチの効いた連中がたくさん登場する松尾スズキらしい映画。バイオレンスシーンが多く、結構エグい。そして非現実的で辻褄の合わないことが多い。すごく好きな映画ではないが、嫌いでもない。
<映画データ>
監督:松尾スズキ
出演:松田龍平、阿部サダヲ、松たか子
<好み度>
★★
やっさだるマン(2018年/大森研一監督)
主役をはじめ、メインどころは見たことがない俳優さんだが、心温まるいい映画。「やっさだるマン」って何?という感じで見始めたが、広島県三原市のゆるキャラだった。いわゆるご当地映画だが、三原市を過剰にアピールしてないところに好感を持つ。全体にいい感じの青春映画的な感じに仕上がっており思わぬ拾いものだった。
<映画データ>
監督:大森研一
出演:佐藤永典、須藤茉麻、竹達彩奈
<好み度>
★★★★
陽だまりの彼女(2013年/三木孝浩監督)
非現実的なファンタジー。でも何だかすんなり受け止めてしまって、終盤はウルウルしっぱなしだった。上野樹里のフンワリと現実離れした魅力が大きかったのかもしれない。ラストも思った通りだったが、悪い意味ではなく期待通り。
<映画データ>
監督:三木孝浩
出演:松本潤、上野樹里、玉山鉄二
<好み度>
★★★★
世界は今日から君のもの(2017年/尾崎将也監督)
門脇麦が不器用で社会に馴染めない女性を実にうまく演じている。この映画が訴えたかったことは何だろう。誰でも自分らしく生きる権利があるということか。
<映画データ>
監督:尾崎将也
出演:門脇麦、三浦貴大、マキタスポーツ、YOU
<好み度>
★★★