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【懐かしの名店紹介】池袋「大黒そば」。ここでしかいただけない唯一無二の春菊天そば!

多くの人に惜しまれつつ閉店してしまった名店を紹介します。今回ご紹介するのは池袋の「大黒そば」です。この店の春菊天そばは、他の店の春菊天とは一味も二味も違い、最初いただいた時はびっくりしたことを覚えています。常連さんも多い人気店でしたが、2018年5月29日をもって惜しまれつつ25年の歴史を閉じました。以下は2016年10月に訪れた際のレポートです。

池袋西口公園のすぐ先

場所は池袋西口から徒歩3~5分。池袋芸術劇場がある西口公園のすぐ先にあります。池袋の地下道からも行くことができ、1b出口を出てすぐ右折し、50メートルほど行ったところ。途中に前はマクドナルドがあったんですが、今はセブンイレブンになっています。

店の入口横にはこのようにメニューが掲げられています。基本のかけそばは300円。

店内は右側に厨房を囲むLを天地逆さまにしたような形の注文兼立ち食いカウンター。左の壁際に7席の椅子付きカウンター。奥の壁際に5席のカウンターとなっています。

自動券売機はありません。入って店の中程にある注文カウンターまで進み、口頭で担当のお母さんにオーダーするシステム。その手前、入ってすぐの天ぷらの揚げ置きがしてあるケースの後ろにご主人がいらっしゃって、思わずオーダーしそうになるんですが、言葉を発しそうになると「注文は奥で!」と促されます。注文後、その場で精算するとお母さんから「座って待っておいて下さい」と言われます。このお店、生そばを注文後に茹でるんですね。この日は入口すぐのカウンターに腰をおろして待つことに。目の前を見るとこのように七味唐辛子はケチャップを入れるような大きな容器に入っています。

唯一無二の春菊天そば

およそ3分後、お母さんに「春菊天そばの方ぁ~」と呼ばれ、出てきたのがこちら。 「春菊天そば」(400円)… えっ?これが春菊天?思っていたのとビジュアルが全然違うんですけど………。

気を取り直して真上からも撮影。イメージしていたのは鮮やかな緑色の春菊天。でもこれ黒っぽくて、なんか海藻みたい。それも厚みのない丸いカタマリがそばの上に浮いているだけで、ちっとも天ぷらに見えませんけど。これって何かの間違いじゃないですか??

何年か前にこの春菊天そばを最初に見たときにそう思いました。でも実はこれ、間違いでも何でもなく、この店オリジナルの春菊天そばなんです。この黒っぽいカタマリをつゆに沈めてかき混ぜてドロドロにして食べるのがこの店の春菊天そばの流儀。この見た目、あまりうまそうじゃないと普通思いますよね。それがそばと一緒に食べると、うす~く表面をおおっている衣のおかげでつゆが絡んで春菊独自の苦みが口の中に広がって実にいいんです。ちょうど鍋料理でつゆがたっぷり染みてクタクタになった春菊を食べている感じ。春菊好きにはたまりません。春菊はそれほど好きじゃないという方にはボリュームタップリの「げそかき揚げ天」か、「えびかき揚げ天」がおすすめ。そばは生そばの茹でたて。つゆは黒っぽい東京風ですが見た目ほど塩っぱくありません。ごちそうさまでした。

<私の評価(5段階)>
★★★☆☆ 3.5

<地図>

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