過去に紹介したお店で、これぞ名店と思った店の紹介記事を再掲します。今回ご紹介するのは銀座にある「よもだそば 銀座店」です。なお記事内容は2017年4月時点のものです。価格など現在とは違っている可能性がありますので、ご了承ください。
銀座の松屋通り沿い
「よもだそば」は、都内に「日本橋本店」とこの「銀座店」の2店を展開しています。私は「日本橋本店」には何度か行ったことがありますが、2012年4月28日に開店したという「銀座店」はこれまで縁がなく、今回はじめての訪問です。
さて、そもそも「よもだ」とは何なのでしょうか。店内にあったパンフレットによると次のように説明されています。
よもだとは愛媛県松山地方の方言(伊予弁)で、「いいかげん」「ぬけている」「だらしない」「悪ふざけ」というような意味で使われることが多いのですが、実は親しみを込めて「しょうがないねぇ」「なんだか憎めない」というユーモアとエスプリを兼ね備えた言葉どよもだの国の人は思っています(!?)。標準語では表現できないニュアンスです。
よもだそばは、今後、なお一層「よもだの精神」を大切に、皆様に喜ばれ、愛される蕎麦屋となりますよう努めてまいります。
よもだの国・愛媛出身 店主 敬白
場所は地下鉄の銀座駅C8出口を出て右方向(松屋方向)に徒歩1分弱の松屋通り沿い。店頭には新メニューなどを紹介する看板が置いてあります。
豊富なメニュー。自家製インドカレーも人気!
店に入るとすぐのところに自動券売機が2台あり、ここで食券を購入し店奥の注文カウンターでオーダーするシステムです。価格は「かけそば」がなんと250円。名物の一つで直径10センチ・高さ5センチの特大かき揚げをのせた「特大かき揚げそば」が370円と信じられないぐらいリーズナブルな価格。そしてこの店の特徴はメニューの多さ。「岩下新生姜天そば」とか「ニラ天玉そば」、「ハムカツそば」、「メンチカツそば」といった他にはないようなメニューがたくさんあり自動券売機の前ではかなり迷います。また、スパイシーな自家製本格的インドカレー「よもだカレー」(490円)も看板メニューの一つです。
店内は入口から奥に向かって固定イス付きカウンターが続いており、途中仕切りをはさんで全部で14席。店の幅は狭くて奥が深いウナギの寝床状態で、通路は人一人がやっと通れる程度。まあ、銀座の一等地ですからこの狭さはしょうがないですよね。店中央にある注文カウンターで店員さんに食券を渡して注文後、空いていた一番奥のカウンターにスペースを確保。横に置いてあったウォーターピッチャーからカップに水を注ぎ、飲みながら出来上がりを待ちます。カウンターの上には醤油と七味が用意されています。
丼から3分の1ぐらいはみ出る春菊天
時刻はもうすぐ午後2時なんですが、人気店なだけに次から次へとお客さんが入って来ます。そして3分ほど待った頃、呼ばれて出てきたのがこちら。「春菊天そば」(370円)。
上から。春菊天は素材のカタチをそのまま活かして揚げられており、上の3分の1は丼からはみ出しています。
まずそばを一口。自家製生そばはやや色黒で、しっかりとそばの香りがして歯ごたえもいいですね。次につゆをすすります。天然出汁にこだわって化学調味料は使っていないというつゆは、カツオ出汁の香りが強く、角がなくまろやか。塩分も控え目で出汁のうまさが際立っています。さすがのクオリティの高さ。そして春菊天。揚げ置きのようですが、この日はあまり春菊天が出なかったのか、揚げてからかなり時間が経っていたみたいです。冷えており、ジトッとしていてやや固め。普通の立ち食いそば店なら揚げ置きの天ぷらなんて全然OKなんですが、そば、つゆ共に高水準なだけに、どうも気になります。人間というのは贅沢なもんで、どうせこだわるんだったら、天ぷらも揚げたてにして欲しいなんて思ってしまうんですね。370円なのに…。とはいえ、そばとつゆがウマイので箸は止まることなくどんどん進みます。そして最初は気になっていた春菊天ですが、時間が経つに連れてつゆが染みて適度に温かさも加わり、いい感じになって来て、最後はつゆの一滴までおいしくいただくことができました。ごちそうさまでした。
<地図>
<店舗データ>
◎住所:東京都中央区銀座4-3-2 銀座白亜ビル 1F
◎交通手段:東京メトロ「銀座駅」C8出口より徒歩1分
◎営業時間:7:00~22:30
◎定休日:年中無休