10年以上ライターとしてメシを食っているのになんでブログが書けないんだろう?
そんな悩みを抱え、わらをもつかむ思いで
参考になる本を探していたときに出会ったのがこの本でした。
これまで私はライターとして雑誌、サイトなどの記事を書いてきました。
しかし、ブログで自分の考えを発信しようとしたところ、
文章が全く頭に思い浮かんでこないのです…。
我ながら情けない!
当初は理由がわかりませんでした。
でもよく考えてみると、これまで手がけてきたのは
インタビューや調べた情報を元に再構成する文章。
自分の考えを、根拠を明確にしながら発表していくという
トレーニングをほとんどやってこなかったのです。
この本には65項目のアドバイスがありますが、最も参考になった3点をご紹介します。
1.「いつもと違うな」という違和感をほっておかない。
文章を書くことは、根拠を明確にすることだと著者は指摘します。
文章を書くとういことは、根拠を明確に発信するということ。だとしたら、話し言葉で、根拠を明確に伝えられるように練習すればいいでしょう。そのためには、「あいまいなことを絶対に言ってはいけない」というルールをつくって会話をしてみることです。
そのためには、「いつもと違うな」といったような違和感を感じた場合、
それをそのままにしておかず、常に「それはなぜだろう」と
考えてみる癖をつけることが大切というのです。
それを続けていくことで、書くネタを見つけることができるばかりか、
分析力がつき、しっかりとした根拠が書けるようになるというのです。
2.「あの人ならどう考えるだろう」と想像してみる。
筆者は視野を広げるために有効なのは、他者の視点で考えることだと言います。
その人の立場になりきって思考してみると、自分の意見とは逆の意見に妙に納得したりする場合があります。これは視野を広げるばかりでなく、人を思いやることを意識できるようになるものです。<中略>「うちの父親(母親)だったらどう考えるか」「うちの女房(だんな)だったらどう考えるか」<中略>できるだけその人になりきって、自分の思惑を排除して考えることが大切です。
自分だけの考え、視点で書かれた文章というのは
どうしても独りよがりで、浅く感じるもの。
他者の視点が入っていることで、より説得力が増すケースのは確かにあります。
3.読者に動きを与える書き出しにしてみる。
書き出しがうまくいけば、その後流れで文章がかけてしまうということはよくあります。
本書で、よい書き出しの例として挙げられているのが、
「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」
という、川端康成の「雪国」の超有名な書き出し。
動きを読者に与えるのがポイントで、暗い中を通って、視界がバーッと開ける……これで、読者は別世界に引きずり込まれてしまいます。<中略>「現実から非現実に入りました」ということを、あの冒頭の一文で表しているのです。これは文章の書き出しとして超一流の美技といえるでしょう。
この「動きを与える」以外の書き出し方として、
「台詞ではじめる」「擬音ではじめる」「反語を使う」という方法が紹介されています。
例えば反語を使う例としては「なぜ女性専用車が必要なのだろうか」という書き出しが紹介されています。
最初のとっかかりがつかめず苦労している場合には非常に参考になるアドバイスです。
あえて3つほど紹介しましたが、そのほかにも文章力をアップさせるための
具体的なアドバイスが数多く紹介されています。
毎日ブログを書きたいけれど、いざ書くとなると何を書いていいかわからなくなる…
そんな、私みたいな方には非常に参考になる一冊です。