あなたは人の話をちゃんと聞いていますか?
求人広告の取材をしていて、お客様に「求める人物は?」という質問をすると、
80パーセント以上の方から「コミュニケーション力のある人」という答えが返ってきます。
では、この「コミュニケーション力」とはどのような能力なのか。
一般には「自分の考えを相手に伝える力」、
すなわち「話す力」というイメージが強いと思います。
しかし、この本ではむしろ「聞く力」の方が重要だと指摘します。
たとえば、商品を売る場合、いくら「話す力」があっても、
相手が何を求めているのかを「聞く力」がなければ、的確に提案はできません。
その意味では「聞く力」はビジネスマンにとって非常に重要なスキルです。
仕事で年間約200名にインタビューする私が、
この本で改めて気づかされた3つのポイントをご紹介します。
1.聞くことは事前に考えておく。
当たり前のことと言えば、当たり前なのですが、
慣れてくると「まあ、この間と同じ感じで大丈夫だろう」と怠ってしまうことがあります。
そんな私がハッとさせられたのが次の一節。
どんな質問をするかは、必ず事前に考えています。頭の中で考えておき話の流れの中で聞いていけばいい、という考え方もあるようですが、私はそうは思いません。何より、聞き漏らしを防ぎたいからです。(中略)だから、聞いておきたいこと、聞いておかなければいけないことは事前にリストアップしておく、これはかなりしっかりやります。
そうなんです。
頭の中で「これを聞こう」と考えていたのに、
聞き漏らしてしまったことが何度あったことか…。
基本的なことですが重要です。
2.わからない、ときちんと伝える。
これは非常に難しいです。
「こんなことも知らないでインタビューに来たのか」と思われてしまったら、
その後、その方からいい話は聞き出せなくなってしまいます。
そう思うと「知らない」「わからない」とは言えないケースもあります。
取材によっては突然、難しい話が始まることもあります。そういうとき、私が心がけているのは、「わからない」ときちんと相手に伝えることでした。話の腰を折ってわからないなどと言うと、相手は気を悪くするのではないか、という考え方もあるかもしれません。しかし、私はむしろ、よくわかってないのに、わかったような顔をして聞いていることのほうが、よほど問題だと思っています。
そのためにも、事前にある程度基本的なことは調べておく。
その上でわからないことが出てきたら、
「勉強不足でわからないのですが…」と伝えて、教えていただくようにすべきですね。
3.沈黙を恐れなくてもいい。
インタビューしていて沈黙はやっぱり怖いです。
でも、筆者はこう述べています。
沈黙が起きてしまってもいいや、と思ってしまうことです。意外に、沈黙を何とも思わない人もいます。逆に、沈黙になったために、話し始めてもらえることもある。
ということですが、これはなかなか難しいです。
場数を踏むしかないですね。
書いてあることはいずれも基本的なことで、自分も知っているし、心がけていたことでした。
ただ、忙しいとついつい忘れてしまいがちになることばかり。
大いに参考になりました。