今回は「揺れない心 本当の強さを身につける作法 (角川oneテーマ21)」を紹介します。
筆者は「雀鬼」と呼ばれ、プロ麻雀士として
大学時代から引退するまで20年間無敗という、
とてつもない実績の持ち主。
現在は麻雀を通して人としての道を
後進に指導する「雀鬼会」を主催しています。
数々の伝説を持った勝負師が、
どうすればブレない生き方ができるかを語ったのがこの本です。
修羅場では主導権を握れば、抜け道が見えてくる
筆者は、修羅場になったときにもっとも大事なのは、
修羅場における主導権を自分が握ることだと語ります。
その主導権というのは行動ではなく、意識のこと。
修羅場をどうとらえるか。
最悪の状態だ…と思っても、
実際はそれよりもっと悪い状態だってある。
今が7とすると10だってありえるのです。
仕事がなくなったとしても、
まだ生きてるんだから大丈夫ということですね。
とらえ方によって修羅場は修羅場でなくなる。
修羅場をつくるのも自分、消すのも自分というわけです。
迷わない生き方の決め手は「切り替える力」
人生は日々迷うことばかり。
先行きが不透明で変化が激しい現代の社会はなおさらです。
迷って考えがはっきりしないときには、
考えるのをまずやめて、体を動かしてみるなど、
切り替えが大切だと説きます。
そして仕事でも人生でも「いい見切り」が大切で、
自分に肯定的な人、すなわち日頃の自分の生き方に納得している人が、
いい見切りができると言っています。
「とりあえず」は心の揺れを落ち着かせる呪文
心の揺れを落ち着かせるための言葉として、
筆者は状況に対して、「とりあえず」と考えることを薦めています。
例えば良いときは「とりあえず今はいい」と考える。
そうすれば舞い上がったり、不遜な気持を持つこともなく、
これから先も慎重さを失わず、油断せずにすみます。
また、悪いときは「とりあえずいま悪いだけ」と考える。
そうすれば「この先良くなるかもしれない」という希望を抱けます。
刀で切りつけられそうになったり、
ヤクザに拉致されて穴に埋められそうになったりと、
数々の修羅場をくぐり抜けてきた筆者ならではの人生哲学は、
非常に参考になる考えがたくさん詰まった良著です。