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【書評】諦めたからこそ出会える世界もある。「諦める力~勝てないのは努力が足らないからじゃない」

アスリート=体育会系ではないんですね。
こんな考え方をする人もいるんだ…
それが第一印象です。

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というのも私は、
「やればできる」
「ダメのは努力が足りないからだ」といった、
いわゆる体育会系の根性論には
昔から違和感を感じていました。

だから体育会系とは縁遠い生活を送ってきました。
高校時代に柔道部に所属していましたが、
最初から勝つことは諦めていた部員でした。
そして「それで何が悪い!」ぐらいに思っていました。

そんな私のような結果を何も残せなかった人間ではなく、
世界陸上で銅メダルを獲得したバリバリのアスリートが書いていることが、
この本が話題になった大きな要因だと思います。

諦めることできるのは一つの才能だ。

「諦める」という言葉は、ネガティブに使われがちです。
しかし「諦める」ということは
そこで「終わる」とか「逃げる」ことではない。
それが、この本の全体を通しての主張です。

そして、この本のエッセンスは第2章に集約されています。
印象に残った見出しは以下の5つ。

◎続けることはいいことなのか
◎できないのは努力が足りないのか
◎応援してくれる人が責任をとってくれるのではない
◎「せっかくここまでやったんだから」という呪縛
◎「飽きた」という理由でやめてもいい

ただ著者は「諦める」とか「努力しない」ことを賞賛しているわけではありません。
できもしない目標に対して闇雲に努力したり、
ダラダラと続けたりするよりも、
自分が何を目指しているのか、どんな状況に置かれているか
などをしっかりと見据えた上で、しっかりと諦めること、
正しい方向に努力することが大事だと言っています。

「努力は必ず報われる」
それは正しいかもしれません。
でも、見当違いの努力はムダ以外の何者でもありません。
努力を諦めたからこそ、出会える価値もあると思いました。

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