いやぁ、面白かったです「少年メリケンサック」。
最初から最後まで宮崎あおいが全力疾走ですね。公開は2009年。当時から見たかったんですが、タイミングが合わず今まで見ることができませんでした。
ホント、ありがたいですAmazonのプライム・ビデオ。
どんな映画?
YouTubeの予告編のところにあった説明文が一番良さそうなんで紹介しておきます。
レコード会社OL・かんなが、動画サイトで見つけた「少年メリケンサック」のライブ映像。そこには凶悪な絶叫パフォーマンスのイケメンが!!契約を取るために会いに向かうと、そこにはなぜか酔い潰れた50歳過ぎのオッサンが!!「これ誰っ?!」・・・かんなが見つけた映像はなんと25年前の物だったのだ・・・。かんなの驚愕をよそに、「少年メリケンサック」の人気はネット上で大爆発!サイトはパンク寸前!全国のライブツアーが次々と決まっていく・・・。このまま出たら暴動必至。果たして、かんなと「少年メリケンサック」の命運は???
まあ簡単に言えば、超ハイテンションの20代女性マネージャーと、50過ぎのキャラが濃すぎるオッサンたちのファンタジー。
無味無臭なものはつまらない!
この映画がスゴイと思ったのは、映像からオヤジ臭やらオナラ臭やら汗臭さなんかが感じられることですね。途中、かんなの恋人で歌手を目指す若者の耳障りが良くて毒にも薬にもならないような歌に対して、佐藤浩市扮するAKIOさんが「やってる音楽も無臭なんだよ」ってディスるセリフがあるんですが、味や臭いがないものって何の面白さも感じないんですよ。その意味ではしっかり臭いが漂ってきたこの作品は十分に魅力あります。
一番スカッとしたのは、若手人気バンドのメンバーたちをステージ上でボコボコにするシーン。少年メリケンサックのポンコツっぷりを楽屋で「ああはなりたくない」などと揶揄した報復としてやったわけなんですけど、ああいう風に腹が立ったらそれをストレートに相手にぶつけることができたら、さぞ気持いいだろうなと。
というのもやっぱり「怒りを抑えるのが大人」っていう考え方が一般的じゃないですか。実際そうだと思うんですけど、実はいくら年を取ったって若い頃と同じぐらいの頻度でムカっとする感情は出てくるんですよ。年を取るにつれて、怒りの感情が徐々に少なくなっていくわけじゃないんです。だからと言ってその都度爆発させて暴力沙汰でも起こそうものなら、たちまち社会的制裁ってやつでメシを食えなくなるから、感情を抑えざるを得ない。だから、たとえフィクションとはいえ、同年代のオヤジたちが暴れ回ってくれるのを見るとなんか嬉しくなるんですね。
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<映画データ>
監督・脚本:宮藤官九郎
出演:宮崎あおい、ユースケ・サンタマリア、佐藤浩市、木村祐一、
勝地涼、田口トモロヲ、三宅弘城、ピエール瀧