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【日本映画】間違いなく名作なんですが…。「北のカナリアたち」(阪本順治監督)。

今回はAmazonプライムで見た「北のカナリアたち」をご紹介します。

どんな映画?

原作は湊 かなえの「往復書簡」。小説の主人公は男性ですが、映画は女性となっています。
あらすじはこんな感じ。

小学校の教師・川島はるが赴任したのは北海道の離島にある生徒6人の小さな分校だった。生徒たちの歌の才能に気づいたはるは、合唱を通してその心を明るく照らしていく。そんなある日衝撃的な事故が彼らを襲う。その出来事で島を追われ、生徒たちの前から姿を消すはる。生徒たちもまたそれぞれが心に深い傷を残してしまう。 20年後、東京で暮らすはるに生徒の一人が起こした事件の知らせが届く。真相を知るため、教え子たちとの再会を決意する。彼らがあの時に言葉にできなかった想いを抱え、生きてきたことを知り愕然とするはる。真実が明かされる時、物語は感動のクライマックスへと動き出していく。

一つだけ気になったこと。

成長した分校の生徒を演じた6人が良かったですね。中でも森山未來の存在感は際立っていて、事実上の主役です。先日見た「苦役列車」でもそうでしたが、社会的に抑圧されながら懸命に生きるけれど、ある時限界に達して狂気を爆発させる…といった難しい役を非常にうまく演じています。そして、舞台となる礼文島の景色は圧倒的。四季によって全く違う表情を見せるむきだしの大自然にはただ見とれるばかりで、映画館の大スクリーンで見たいと思いました。

ただ、先生(吉永小百合)と警官(仲村トオル)の関係の描き方が雑。島という狭くて他人の目が厳しい地域で、自殺しそうになっているのを助けたぐらいで、なぜ深い関係になったのか。その課程が丸ごとスルーされているので強烈な違和感がありました。間違いなく名作なんですが、そこのところがしっかり描かれていれば、「超」がつくほどの名作になったはずです。

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<映画データ>
◎監督:阪本順治
◎主演:吉永小百合、柴田恭兵
◎助演俳優:仲村トオル、森山未來、満島ひかり、勝地涼、宮崎あおい、小池栄子、松田龍平、里見浩太郎

<予告編>

<原作>

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