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【全国の名店紹介】駒込「一〇そば(いちまるそば)」多彩な天ぷら!飲み干したくなる真っ黒で味わい深いつゆ。

過去に紹介したお店で、これぞ名店と思った店の紹介記事を再掲します。今回ご紹介するのは駒込にある「一〇そば(いちまるそば)」です。なお記事内容は2017年9月時点のものです。価格など現在とは違っている可能性がありますので、ご了承ください。

日暮里の人気店「一由そば」から独立

この店はこのブログでも紹介した日暮里の人気立ち食いそば店「一由そば」の系列店。もともとは「一由そば 駒込店」だったのですが、3年前に独立して「一〇そば」となりました。

駒込駅の北口を出ると目の前に通っている本郷通りを、六義園とは反対の方向に緩やかな坂を下る感じで歩いて行きます。途中、横断歩道で道路の反対側の歩道へ。そして約3分ぐらいのところにあるのがこのインド料理店。

この店の前には「そば・うどん」と書かれたノボリが…。

一瞬、インド料理店でそば・うどんを出しているようにも見えますが、そんなわけないのでこの角を曲がってみると見えてきたのが本日の目的地。黄色と白の看板が目印です。

自動券売機はなく、口頭で注文するシステム

手動式のドアを開けると、チリンチリンというやや控え目な鈴の音が店内に響きます。時刻は午後2時を少し回ったところ。昼のピーク時を過ぎた時間ということもあり、先客はおらずガランとしています。厨房後方で男性と女性の話し声が聞こえますが、鈴の音が小さかったのか反応はなし。声をかけてみようか…。そう思っていたら「あっ、いらっしゃいませ~」と女性店員さんの声。どうやら気付いていただいたようです。ただカウンターの上に天ぷらのショーケースがあるので姿はあまり良く見えません。

自動券売機は見当たらないので口頭でオーダーするシステムですね。「どうぞ~!」と注文を促す店員さんの言葉に対し「紅しょうが天そばお願いします」とオーダー。すると間髪を入れず「320円です」との声が帰って来ました。このお店、基本となる「かけそば・うどん」が220円と格安! それに100円の「紅しょうが天」を加えてこの値段。ポケットを探り、100円玉3枚と10円玉2枚を用意し、入口すぐのカウンターの角の席に腰をおろして出来上がりを待ちます。

店内を見渡すと、厨房を囲むカタチで変形L字型のカウンターがありイスは7脚。背もたれがあるイスやそうじゃないヤツなど種類はバラバラ。それに入口すぐ左側の壁沿いに2人用テーブルがあるので、合計するとキャパは9名ですね。壁やドアのあちこちにメニューの写真が貼ってあり、天ぷらショーケースの上の小型のホワイトボードには「インゲン天始めました。ボリュームたっぷり」という宣伝文句。野菜天にユーグレナが入っているというような貼り紙もありますね。一方カウンター上を見ると、割箸や爪楊枝に加え、七味、ごま、そして鷹の爪。そう言えばこの鷹の爪、一由そばにもありました。

その時、ドアが開きお客さんが入って来ました。40代後半ぐらいのワイシャツにスラックス姿のサラリーマン風。「ゲソ、インゲン、あと春菊半分。そばでお願いします」と慣れた口調でオーダーします。そうそう、ここの天ぷらも一由そば同様ハーフサイズもあるんですね。

真っ黒なつゆに浮かぶ真っ赤な紅しょうが天

「お待たせしました~。」…… 約2分後「紅しょうが天そば」が届きました。カウンター越しに店員さんに320円を渡すと、手前に置いてあった容器に盛ってあるネギをトングで3つかみほど投入します。ネギ好きなので、入れ放題なのは嬉しい!

一由そば譲りの真っ黒なつゆに真っ赤な紅しょうが天が浮かんでいて鮮やか。

さて、いただきましょう。七味をさっとふりかけ、鷹の爪を備え付けの木製のスプーンで4~5片加えます。そしてまずはそばから。やや太めで柔らかい茹でそば。生そばを出す店も結構多くなって来ている中で、あえて茹でそばにこだわっているのは、茹で時間を短縮しお客さんに早く提供したいためとか。そう言えばさっき店員さんが茹でるところを見ていたら、取っ手付きの「てぼ」に麺を入れて大鍋のお湯に浸すと、時々おたまで上からお湯をかけておられました。茹で時間は1分弱ぐらいだったかなぁ。さてつゆをいただきましょう。濃くて黒っぽいですが塩っぱ過ぎず、削り節の出汁の風味がしっかり香ります。おおっ、一由そばと同様いい味ですね。フワフワのそばとの相性もバツグンです。紅しょうが天は衣薄め。ピリッとしたしょうがの刺激がジャンクっぽくてたまりません。食べ進めていくうちにつゆが染みてきて味が変わっていくのも楽しい!

チリン、チリン…。もう一人お客さんが入って来ました。30代中盤ぐらいで黒のポロシャツ姿の男性です。しばらく壁のメニュー写真を見た後「カツそば」と注文。「はい、220円です」と店員さん。あれっ、さっき見たところ確か「カツそば」は430円と書いてあったはずですが…。そう思いながらも食べ進めていきます。しばらくして「おまちどおさま~」と一つ隣に座った先ほどのお客さんに出てきたのは「かけそば」。「すいません、カツそばなんですけど…」。「申し訳ございません。かけそばだと思っていました」といったやり取りが聞こえます。なるほど、それで220円と言ったんですね。でも、うどんと間違ったわけじゃないし、トッピングを追加すればいいだけなので、リカバリーが利く間違いですね。お客さんも全然OKだったらしく「ついでに小ライス追加でお願いします」とか言ってます。なんか、こっちまでホッとします。

さて、私はそろそろラストスパート。紅しょうがの味が染みだして、ちょいピリ辛味になってきたつゆを飲み干します。ふうっ~。満足、満足。「ごちそうさまでした~」。返却口に空いた丼を下げると「ありがとうございました」という声。引き戸を開けて外へ出ると、真夏並みの強い日差し。暖かいつゆを飲んだせいで吹き出してきた汗を拭きながら再びJR駒込駅へ向かいます。北口から入って階段でホームに降りると、田端方面からふわ~っと風が。涼しい…。秋は着実に深まっています。

<地図>

<店舗データ>
◎住所:東京都豊島区駒込3-3-14
◎交通手段:東京メトロ南北線「駒込駅」5番出口から徒歩2分
JR山手線「駒込駅」から徒歩4分
◎営業時間:[月~金・祝]5:30~22:30[土]~20:00[日]~18:00
◎定休日:無休(お盆・年末年始のみ休あり)

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