東京は例年ほど猛暑ではなく、比較的過ごしやすい日が続いています。とはいえ最高気温30度前後と暑いことは暑い。というわけで「暑い時こそ辛いものでガーッと汗をかこう!」と、先日、環七通り沿いの味噌ラーメン専門店で激辛メニューもある「味噌一 常盤台店」に行って来ました。
環七沿いで20年以上の歴史を持つ味噌ラーメン専門店。
「味噌一」は高円寺店をはじめ、都内に10店舗展開する味噌ラーメン専門店。この「常盤台店」はその中でも本店的な位置づけの高円寺店と同じか、その次ぐらいに歴史がある店。私が中板橋に引っ越してきた時にはすでにあったので、おそらくすでに20年以上この地で営業を続けています。次々と新しいラーメン店が生まれては消えていく都内の、しかも“環七沿い”という超が2つぐらい付く激戦区にあって、これだけ長く続いているのはやはりそれだけの味を維持して一定数以上のファンに支持されているからなんでしょう。
まずアクセス。店名こそ「常盤台店」ですが、電車で行く場合は「中板橋駅」からの方が近いかも。北口を出たら左手・駅に沿って常盤台方面に50~60メートルほど行くとブックオフなどがあり、カフェに突き当たりますから、右に曲がって100メートルぐらい直進。石神井川に架かる橋を渡ってやや上り坂を2~3分進むと環七通りに突き当たったら、その角を左折した電気屋(オオタケデンキ)さんの隣。クルマの場合、環七通りを高円寺から赤羽方面に向かっているとして、東武東上線の線路を過ぎたらすぐ右手。「味噌一」と赤い文字で書かれた木製看板とたくさん並んだ赤い提灯が目印です。
自動券売機ではまずはベースの味を選ぶ。
店内は厨房前に9席のカウンター、その後ろの窓際に5席のカウンターがありキャパは14名。入口すぐ右手に自動券売機があり、ここでチケットを購入して店員さんにオーダーするシステム。至って普通なんですが、ここで一つ注意! 券売機にお金を入れて、いきなり「味噌一らーめん」などのラーメンメニューを押しても機械は反応してくれません。券売機一番上にある「純正ごま油」と「こってり魚ちゃん」というベースの味を選ぶ二つのボタンのどちらかを押してからでないとラーメンメニューは反応しない仕組みになっているのです。わかっていれば何てことありませんけど、初めての場合わかりにくいので…。老婆心ながらというやつです。老婆じゃないですけどね。
このベースの味というのは「純正ゴマ油」が従来からの味噌一のスタンダートな味噌味。「コッテリ魚ちゃん」というのが新開発された味で、濃厚な魚風味が特徴らしいですが、私はまだ食べたことがありません。そして「純正ゴマ油」味の場合は、チケットを店員さんに渡すと「太麺」か「細麺」かを聞かれますから、口頭で指示すれば注文は完了です。
いつもより辛さレベルを上げて「火吹」にチャレンジ。
この日は土曜日の午後12時過ぎだったのですが、店に入ると自動販売機でチケットを購入中の先客が一人で、店内には2名。「おっ、結構すいてる。ラッキー~」と思いましたが、後から次々とお客さんが入ってきて20分後ぐらいにはほぼ満員になりました。店員さんは調理担当の方と、オーダーを聞いたり、出来上がったものを配膳したりする係の方の2名体制。空いていた窓際のカウンターの端っこに座り、出来上がりを待ちます。カウンターの上には、刻みニンニク、煮干しのふりかけ、すりゴマ、お酢、コショーが用意されています。
では待っている間、軽くつまみでもいただきましょう。このお店の特徴の一つがカンパシステム。入口左手窓際にカンパコーナーがあって、味付け玉子、火吹きメンマなんかが各20円以上カンパすることで、常識の範囲内で取り放題になっています。
で、この写真の量が私の“常識の範囲内”。私がいかに常識人かがわかっていただけると思います。そしてピリ辛のもやしをつまみながら、6分ほどで出てきたのが「火吹」(820円)。私は通常ここではちょっぴり辛めの「ピリ辛」をオーダーするのですが、今回はそれよりもワンランク上の辛さのヤツを選びました。見てください! このインパクトのある真っ赤なビジュアル。
トッピングされているのはワカメ、かいわれ大根、コーン。その他、もやしやキャベツ、玉ねぎ、ニンジンなどの野菜が入っています。デフォルトではチャーシューは入っていなくて、欲しい場合は別売り(1枚70円)です。
スープの強烈な辛さにビビる。
さて、いただきます。まずは木製の大きめのレンゲでスープをすくい、恐る恐る一口。……アチッ!そして辛っ! 色は真っ赤でインパクトがあるけど、実際はそんなに辛くないこともあるからなぁ…という希望的観測がありましたが、そんな思いは一口で吹き飛ばされてしまいました。ヒ~~。その後、フーッと冷ましながら3口ほど飲んだのですが、味噌系のコクをやや感じるものの、唐辛子系の辛さと熱々のスープで味覚が麻痺してしまい、味がよくわかりません。丼は直径25センチぐらいあり、スープもかなりの量。わずか3口でこれですから先が思いやられます。しかし気を取り直して次に麺。今回は太麺を選びました。丸くて若干縮れがあります。
モチモチとした食感で食べ応え十分。辛いスープを味わった後だったためか、噛みしめるとほんのり甘ささえ感じます。というわけで、まずは麺を中心に食べ進めていきましょう。私は辛いのはある程度大丈夫ですが、熱いのは苦手。先に麺や具を食べていき、その間に少しでもスープが冷めるのを待つ作戦です。で、もやしや玉ねぎなどと共に麺を食べ進めていくと1分後には額から汗がにじみ出てきます。さらに箸を進め、途中スープを口にすると、カウンターにポタポタと汗が…。ヒ~~。暑い。しばらくすると辛さにも慣れたのか、辛さの向こうにコクのある味噌味を感じることができるようになりました。とはいえ、汗は止まる気配はありません。というのも私が座っている窓際カウンターの端っこの席の横には「ここはクーラーが直接当たりません」といったようなことが書いてあり、おそらく店内でも最も暑い席。それにも負けず麺を8割方食べ終え、スープもあと半分ぐらいまで追い込みました。
さて、ここで次なる作戦を繰り出します。刻みニンニクを投入し、味を変えて一気に食べ切りを図ります。容器からスプーンで3杯ほど投入。少し混ぜて食べてみますが、辛さが強いせいか、さほど味が変わりません。ただスープが少し冷めてきたせいで随分飲みやすくなりました。そして残った野菜類と共に一気にスープを飲んで完食。ヒ~。しばらくは汗が止まりませんでした。ちなみにこの「火吹」の上には「爆発」(870円)というメニューも。ちょっと私には無理ですね。ごちそうさまでした。
<地図>
<店舗データ>
◎住所:東京都板橋区常盤台1-60-2 林ビル1F
◎交通手段:東武東上線「中板橋駅」から徒歩7分
◎営業時間:11:00~5:00
◎定休日:年中無休