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【今はなき名店紹介】御茶ノ水「明神そば」御茶ノ水駅から徒歩1分。界隈屈指の人気店。

多くの人に惜しまれつつ閉店してしまった名店を紹介します。今回ご紹介するのは東京都千代田区「明神そば」です。安い、早い、うまいの三拍子が揃った立ち食いそば店として、ファンには根強い人気がありましたが、残念ながら2020年7月20日をもって閉店してしまいました。以下は2017年9月に訪れた際のレポートです。

御茶ノ水駅からスグ

この日、地下鉄「御茶ノ水駅」に着いたのは午前9時少し前。階段を上り外に出るとまぶしくて、9月の半ばだというのに真夏の日差し。ジャケットを着てきたことを後悔しながら、医科歯科大学前の横断歩道で信号が変わるのを待ちます。今日の仕事はここから歩いて5分ぐらいのところ。10時からなのでまだ時間もあるし、近くでそばを食べていきましょう。向かったのは「明神そば」です。

場所はJR「御茶ノ水駅」から徒歩1分。聖橋口と御茶ノ水橋口の間にあります。下の写真は御茶ノ水橋口ですが、この改札を出て左手に進み、ニューデイズの角を左に曲がって30秒ほど歩いたところ。赤の矢印の方向で、明神そばと白で書かれた緑色の看板が目印です。

イスはなく、純粋な立ち食いそば店

店は左右に入口があり、どちらから入ってもOK。午前9時過ぎ、向かって左側のドアから紺の暖簾をくぐって入店すると「いらっしゃいませ~」という店員さんの声。この時間は女性一名、男性一名の二名体制でした。店内は厨房を囲むカタチでL字型カウンターがあり、通路側と右の壁際にもカウンターがあります。なおこのカウンター、あまり見たことがない緑がかった大理石風。不思議な色だなと思ったのですが、これって看板の色とほぼ同じですね。イスはなくオールスタンディング方式で、キャパは16~8名といったところでしょうか。先客は40代ぐらいのビジネスマンが1名でした。

入口を入ってすぐ左手に自動券売機があり、ここで食券を購入し、注文カウンターで注文するシステムですね。価格はベースとなる「かけそば・うどん」が280円。「天ぷらそば・うどん」が400円。良心的な価格ですね。まずは券売機で食券を購入します。

この自動券売機の斜め後ろが注文カウンター。女性店員さんに食券を渡すと「はい、天ぷらそばですね」とその食券を小さな金属製トレイの中に入れました。カウンター左端にウォーターピッチャーが置いてあるのが見えたので横にあったコップに水を注ぎ、また注文カウンター前に戻って来ると、店員さんはそばを取っ手付きのザルに入れ、目の前の大鍋で湯がき始めています。そして20秒ほどでサッと引き上げ、お湯を切って丼に投入。つゆ、天ぷら、ワカメ、ネギを手早く加えます。思わず見とれるほどの手際の良さです。カウンターの上をチェックすると割り箸と七味。

見た目以上のボリューム

そして待つことわずか1分少々。「はい、天ぷらそばで~す」と出てきたのがこちら。

上から。丼の3分の2ぐらいを占めるかき揚げ!存在感がありますね。

それではさっそくいただきましょう。まずそばを割り箸で一つかみすると細目。なるほど…。それで茹で時間があんなに短かったのか…。このそばは都内の何軒かの立ち食いそば店に麺を卸している「むらめん」のもの。しっかりとコシがあって、喉ごしもいいです。そして次につゆを一口するると…カツオだしの香りをしっかり感じます。そしてかき揚げは玉ねぎが中心で、他にニンジン、春菊っぽい葉っぱが少々。揚げ置きですが、比較的太めにカットされた玉ねぎは噛みしめると甘く、シャキッとした食感。あとトッピングではワカメがいいアクセントになっています。どんぶりの直径がそんなに大きくないので、量は少な目に見えますが、深さがあるので、結構そばのボリュームがあります。大きなかき揚げを崩しながらそばを一口。さらにはワカメと一緒に一口。ネギを絡めて一口と食べ進めていきます。その間に左右の扉から、一人、また一人とお客さんが入って来ました。さすが御茶ノ水の人気店! そして5分ちょいで完食。残っていた水を一気に飲み干すと、どんぶりとコップを持って返却口へ。「ごちそうさまでした~」と、入って来たのと反対のドアへ向かいます。厨房からは「ありがとうございました」という声。外に出て目的地に向かって歩き出すと、たちまち吹き出してくる汗。信号待ちで立ち止まると、たまらずジャケットを脱いで脇に抱えます。スマホで時間を見るとまだ9時10分過ぎ。近くの喫茶店で少し涼んでいきましょう。

<地図>

<店舗データ>
◎住所:東京都千代田区神田駿河台2-6-1 御茶ノ水山水ビル1F
◎交通手段:JR「御茶ノ水」から徒歩1分

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